# Laplace変換の性質

# 収束性

Laplace変換の収束性を議論したいとき、関数 上での積分が収束するかどうかを気にすることになる。そこで、このノートでは、次のように定義する:

定義

を、 に対して定義された関数とする。 のLaplace変換の収束域に入るとは、

であることをいう。収束域に入る複素数全体の集合を、このノートでは と書くことにする。

「ROC」は、region of convergenceの略である。

が収束域に入るとき、積分 は有限の値に収束する。

が収束域に入るかどうかは、 の実部のみに応じて定まる。したがって、 は、虚軸方向の平行移動に関して不変である。

のとき、 である。

命題

を、 に対して 定義された関数とする。 とする。このとき、 をみたすならば、 が成り立つ。

証明

, とおく。このとき、仮定より だから、 のとき、

となる。これより、 であることがわかる。

# 線形性

積分の線形性から、次のことがわかる:

命題

, 上で定義された関数とし、 とする。 が、 に対して、それぞれのLaplace変換 , が収束するとする。このとき、 のLaplace変換も で収束して、

が成り立つ。

証明

まず、仮定より、次の二つの積分は収束する:

これらのことと積分の線形性より、

も収束して、その値は

である。

# 微分